セックスが怖い

4月25日、彼女ができた。

大学3年生以来、実に約8年ぶりのことだ。

優しくて明るくてノリがよくて可愛くてオタクの話もできる素晴らしい子だ。

 

なのに、なぜだろう、夜の行いになると愚息がほとんど元気を出さない。

身体と心は興奮しているのに、その部分だけがまるで別の器官かのようにビクともしてくれない。

彼女が気持ちよさそうな声を出しているときは少し反応するのだが、そうでないとき、例えば手でしごいてもらう・舐めてもらうといった段になるとまた萎んでしまう。

 

おそらく、彼女が奉仕をしてくれることを申し訳ないと思ってしまっているのだと思う。

オレは自己肯定感が著しく低いから、こんな男のために労力を使わせてしまって忍びない、という気持ちがそのまま勃起力に反映してしまっているのだろう。

そして勃たないこと自体にまた申し訳ないと思い、さらに勃たなくなるという悪循環。近頃はずっとそんな感じだ。

 

また、オレに経験値が少ないというのもある。

性感帯を舐めたり恥部に指を入れたりとビデオで見た光景を思い出しながら手練手管を尽くすが、所詮は見様見真似の付け焼き刃。

正解か分からない中、とにかく解き進めるしかないテストと同じように、常に不安がつきまとう。

彼女の反応を見ても、それが演技なのか本当に感じているのかの判別すらできないほど経験不足だからモヤモヤは一生拭えない。

そうやってアレコレ考えてしまうから、いつしか下半身の方が"おろそか"になっていく。

 

そういった失敗の積み重ねの結果として、トラウマに近いレベルで心に傷が付き、性行為それ自体に恐れを抱きつつある。

ネット記事に「セックスが怖くて家に帰りたくない」という体験談があったが、ほんとうにそんな気持ちになっている。

 

彼女には会いたい。一緒にご飯を食べ、アニメやYouTubeを見て笑い合い、スキンシップを深めたい。

 

なのに、セックスをすることだけが、今はたまらなく恐ろしい。

 

彼女は毎晩求めてくれる。

でも求められるとせざるを得ないから、できれば距離を置いてほしい。

近づきたいのに近づきたくない。

この二律背反の葛藤でずっと息が苦しい。

これを書いている今も泣きそうだ。

失敗したとき「大丈夫だよ」と慰めてくれるが、いつ愛想を尽かされるか。

過去の失敗が現在に影響して未来にまで影を落としている。

八方塞がりで死にたい。